ゾディアック事件
ゾディアック事件:半世紀にわたる未解決の謎 ― その全貌と捜査の深層
序論:アメリカ犯罪史に刻まれた未解決の謎
ゾディアック事件は、単なる一連の未解決殺人事件ではない。それは、1960年代後半から1970年代初頭にかけて北カリフォルニアを震撼させ、アメリカ犯罪史における「恐怖の劇場型犯罪」という新時代の幕開けを告げた画期的な事件である 1。この事件の犯人、自らを「ゾディアック」と名乗った正体不明の連続殺人鬼は、残忍で予測不可能な暴力と、知的でメディアを巧みに操る挑発行為を組み合わせるという、前例のない手口を用いた。公式には5人の殺害と2人の殺人未遂に関与したとされるが、犯人自身は手紙の中で37人もの殺害を豪語している 4。
この事件が半世紀以上経った今なお、人々の記憶に深く刻まれ、「アメリカ史上最も有名な未解決殺人事件」と称される理由は、その特異性にある 3。ゾディアックは、犯行後に警察や新聞社に対し、挑発的な手紙や電話、そして難解な暗号文を送りつけることで、自らの犯罪をメディアに「プロデュース」した 6。彼は単に殺人を犯すだけでなく、その行為を巡る物語を自ら創造し、社会全体をその恐怖の劇場の観客へと変えたのである。新聞社に暗号の掲載を要求し、さもなければ更なる凶行に及ぶと脅迫するその手口は、法執行機関とメディアを、彼の仕掛ける歪んだゲームの駒へと引きずり込んだ 1。この犯罪者、メディア、そして大衆の三者間で形成された異様な関係性は、後の劇場型犯罪の原型となり、犯罪がどのように社会に認識され、記憶されるかに永続的な影響を与えた。本報告書は、このアメリカ犯罪史における不滅の謎であるゾディアック事件について、その犯行の詳細、捜査の過程、そして未解決に至った要因を、最新の知見を交えながら多角的に分析・詳述するものである。
第1部:恐怖の劇場 ― ゾディアックの犯行記録
1.1 犯行年表:カリフォルニアを震撼させた夜
ゾディアックの公式に確認されている犯行は、1968年12月から1969年10月までのわずか10ヶ月間に集中している。しかし、その手口の多様性と残忍性は、北カリフォルニア全域に深い恐怖を植え付けた。
1968年12月20日(レイク・ハーマン・ロード事件):最初の犯行は、ベニシア市郊外の「恋人たちの小道」として知られるレイク・ハーマン・ロードで発生した。高校生のデービッド・ファラデー(17歳)とベティ・ルー・ジェンセン(16歳)が、駐車中の車外で射殺された 3。犯人は
22口径のピストルを使用し、迅速かつ冷酷に犯行に及んだ。当初、警察は動機を特定できず、捜査は難航した 3。この時点では、まだ連続殺人鬼の影は潜んでいた。1969年7月4日(ブルー・ロック・スプリングス事件):独立記念日の夜、最初の事件から約6.4km離れたバレーホ市のブルー・ロック・スプリングス公園で、ダーリーン・フェリン(22歳)とマイケル・マジョー(19歳)が駐車中の車内で銃撃された。フェリンは死亡したが、マジョーは重傷を負いながらも一命を取り留めた 3。彼は犯人について、「がっしりした体格の白人男性、身長約173cm」という最初の目撃証言を提供した 3。この事件の約40分後、犯人は自らバレーホ警察に電話をかけ、この襲撃と半年前のレイク・ハーマン・ロード事件の犯行を告白した。これが、ゾディアックによる最初の直接的なコミュニケーションであった 3。
1969年9月27日(ベリエッサ湖事件):ゾディアックの犯行は、さらに演劇的かつ残忍な様相を呈する。ナパ郡のベリエッサ湖畔でピクニックをしていた大学生のブライアン・ハートネル(20歳)とセシリア・シェパード(22歳)が、奇妙な男に襲われた。男は、ゾディアックのシンボルマークが描かれた胸当てをつけ、サングラス付きの黒い死刑執行人のようなフードで顔を隠していた 3。彼は銃で脅して二人を縛り上げた後、ナイフで繰り返し刺した。シェパードはこの2日後に死亡、ハートネルは奇跡的に生還した 8。犯人はハートネルの車のドアに、これまでの犯行日を記したメッセージとゾディアックのシンボルを書き残し、再び自ら警察に通報した 9。
1969年10月11日(プレシディオ・ハイツ事件):最後の公式な犯行は、サンフランシスコ市内の高級住宅街プレシディオ・ハイツで発生した。タクシー運転手のポール・スタイン(29歳)が、乗客として乗り込んできた犯人に頭部を撃たれ殺害された 8。これまでの犯行パターンとは異なり、被害者は成人男性一人で、場所も人里離れた場所ではなく都市部であった。犯人はスタインの財布と鍵を奪い、さらに彼の血染めのシャツの切れ端を持ち去った。このシャツの切れ端は、後に彼が本物の犯人であることの「証明」として、新聞社に送りつけられることになる 5。
これらの犯行は、犯人が周到な計画性と同時に、状況に応じた柔軟性を持っていたことを示唆している。使用する凶器を銃(22口径、9mm)からナイフへ、犯行場所を郊外の「恋人たちの小道」から都市部へと変えることで、彼は法執行機関によるプロファイリングを意図的に困難にした 11。これは単なる無差別殺人ではなく、警察を翻弄し、社会に最大限の恐怖を与えるための計算された混沌であったと言える。
1.2 メディアへの挑戦状:手紙と電話
ゾディアックの犯行において、暴力そのものと同じくらい中心的な役割を果たしたのが、メディアへの挑戦状であった。これらは単なる犯行声明ではなく、恐怖を増幅させ、自らの伝説を構築するための高度な心理戦であった。
1969年8月1日、サンフランシスコ・ベイエリアの主要新聞3社(サンフランシスコ・クロニクル、サンフランシスコ・エグザミナー、バレーホ・タイムズ・ヘラルド)に、最初の犯行声明文が届いた 5。手紙には、最初の2件の襲撃に関する、犯人しか知り得ない詳細が記されており、その信憑性を裏付けていた。そして、その数日後の8月4日の手紙で、彼は初めて「This is the Zodiac speaking.(こちらゾディアック)」と名乗り、自らのブランドを確立した 3。
彼のメディア戦略の極致は、ポール・スタイン殺害後に見られた。彼はクロニクル紙に、スタインの血染めのシャツの切れ端を同封した手紙を送りつけたのである 5。これは、単なる証拠の提示ではない。被害者の遺品をトロフィーとして誇示し、それをメディアを通じて公衆に見せつけることで、警察の無力さと自らの優位性を宣言する行為であった。彼は法執行機関を嘲笑し、スクールバスの爆破といった新たな犯行を予告することで、社会の不安を極限まで煽った 3。
これらの手紙は自白とは本質的に異なる。自白が後悔や逮捕への願望を示唆するのに対し、ゾディアックの手紙は傲慢さ、挑発、そして捕まらないことへの絶対的な自信に満ちていた 1。彼はメディアを自身の声明の拡声器として利用し、捜査を警察だけの問題から、ベイエリア全体を巻き込む心理的危機へと昇華させた。この一連のコミュニケーションは、1974年の手紙を最後に途絶えるまで続き、その中で彼は合計37人の殺害を主張した 4。ゾディアックは、殺人者であると同時に、自らの恐怖物語を紡ぐ脚本家であり、演出家でもあったのだ。
第2部:暗号という名の迷宮
ゾディアックが他の連続殺人鬼と一線を画す最大の要因は、彼が残した4つの暗号文である。これらは単なる謎解きではなく、自らを「天才」として演出し、捜査当局と社会を知的に嘲笑するための洗練された武器であった。その内容は、犯人のナルシシスティックで歪んだ世界観を映し出す鏡でもあった。
2.1 Z408:解読された最初のメッセージ
1969年7月31日、ゾディアックは最初の挑戦状を叩きつけた。408文字からなるこの暗号文は、3つの部分に分割され、ベイエリアの新聞3社に送りつけられた 3。犯人は、これを一面に掲載しなければ「殺戮の暴走」を始めると脅迫した。この暗号は、法執行機関の専門家ではなく、ごく普通の高校教師夫妻、ドナルド・ハーデンとベティ・ハーデンによって、送付からわずか1週間で解読された 13。
Z408は、専門的には「同音換字式暗号」と呼ばれるもので、一つのアルファベットに対して複数の暗号記号を割り当てることで、単純な頻度分析を困難にする手法である 14。しかし、ハーデン夫妻は、犯人が自己顕示欲の強い人物であると推測し、「I(私)」や「KILL(殺す)」といった単語が頻出するだろうという仮説(クリブ)を立て、それを突破口として解読に成功した 12。
解読されたメッセージは、犯人の歪んだ思想を赤裸々に示すものだった。「おれは人殺しが好きだ。とても楽しいからだ。森で野生動物を殺すよりずっとおもしろい。なぜなら人間はもっとも危険な動物だからだ。(中略)おれが死んだら天国で生まれ変わり、おれが殺した連中はみな奴隷になる」1。しかし、犯人は同時に「おまえらにおれの名前を教えてやるものか」とも記しており、暗号の目的が身元特定ではなく、自らの思想の誇示にあることを明確にした 12。
2.2 Z340:51年越しの解読
ゾディアックが次に送りつけたZ340暗号は、彼の「知性」を象徴する、はるかに難解な挑戦であった。1969年11月8日にクロニクル紙に送られたこの340文字の暗号は、FBIやNSA(アメリカ国家安全保障局)の専門家たちをも50年以上にわたって手こずらせた 16。
この難攻不落の暗号が解読されたのは、2020年12月5日のことである。解読したのは、アメリカのウェブデザイナーであるデービッド・オランチャク、ベルギーのプログラマーであるヤール・ヴァン・アイク、そしてオーストラリアの数学者であるサム・ブレイクという、国際的なアマチュア暗号解読チームであった 16。
Z340の技術的な困難さは、その二重構造にあった。これは、文字の位置を特定の規則に従って並べ替える「転置式暗号」と、文字を記号に置き換える「換字式暗号」を組み合わせたものだった 17。解読チームは、暗号文を特定の幅で区切り、チェスのナイトの動きのように斜めに読んでいくという特異な転置パターンを発見した。この並べ替えを行って初めて、換字部分の解読が可能になったのである 17。この二層の複雑さが、半世紀もの間、解読を阻んできた最大の要因であった。
解読されたメッセージは、またしても犯人の身元に関する手がかりを一切含んでいなかった。その代わり、当時メディアを賑わせていた出来事への直接的な言及が含まれていた。「おれを捕まえようとして楽しんでくれているといいが。(中略)テレビ番組に出ていたのはおれじゃない。(中略)おれはガス室を恐れない。なぜなら、それによっておれはもっと早くパラダイスに行けるからだ」16。これは、テレビ番組に電話をかけ、自らをゾディアックだと名乗った人物に対する否定であり、犯人がリアルタイムでメディアの報道に反応し、自らの物語をコントロールしようとしていたことを示している 16。
2.3 未解読の暗号:Z13とZ32
ゾディアックが残した暗号のうち、2つは現在も完全には解読されていない。
Z13(1970年4月20日送付):これは「My name is...(私の名前は…)」という言葉に続いて記された、わずか13文字の暗号である 3。その極端な短さこそが、この暗号の最大の防御となっている。文字数が少ないため、統計的に意味のあるパターンを抽出することが不可能であり、無数の名前や単語が解として当てはまってしまう。そのため、たとえ正解が見つかったとしても、それが唯一の正しい解であると証明することは極めて困難である 12。
Z32(1970年6月26日送付):「マップコード」とも呼ばれるこの暗号は、ベイエリアの地図と共に送られてきた 10。地図上には、ディアブロ山頂を中心にゾディアックのシンボルが描かれ、「0 is to be set to Mag. N.(0を磁北に合わせよ)」という指示が添えられていた 12。犯人は、この地図と暗号を組み合わせれば爆弾のありかがわかると主張した。磁北への言及は、犯人が軍事、測量、あるいは工学といった分野の専門知識を持っていた可能性を示唆している 12。この暗号と地図の関連性、そしてその真の意味は、今なお謎に包まれている。
これらの暗号は、ゾディアックの心理戦の集大成であった。彼はまず解読可能なZ408で自らの「能力」を示し、次に専門家を50年悩ませるZ340でその「天才性」を誇示し、最後におそらく解読不可能なZ13とZ32で永遠の謎を残した。彼は自らの手で、単なる殺人鬼から、知的な挑戦者という不滅の神話を創り上げたのである。
第3部:捜査の壁 ― なぜ犯人は捕まらなかったのか
ゾディアック事件がアメリカ犯罪史上最も有名な未解決事件であり続ける理由は、犯人の狡猾さだけでなく、当時の捜査が直面した複合的な困難さにある。それは、科学技術の限界、組織的な機能不全、そして前例のない敵対者という三つの壁が重なり合った結果生じた、構造的な失敗であった。
3.1 時代の制約:科学捜査の限界
ゾディアックが捕まらなかった最大の理由は、現代の法医学、特にDNA鑑定技術が存在しなかったことにある 23。ゴールデンステート・キラー事件のように、近年の未解決事件の多くはDNAによって解決されているが、ゾディアック事件にはその恩恵が及んでいない。
犯人の手口は、遠距離からの射殺が主であり、現場に血液や精液といった犯人自身の生物学的証拠が残されることはほとんどなかった 25。唯一の例外であるベリエッサ湖の刺殺事件でも、1969年当時には微物からDNAを抽出する技術は存在しなかった。
唯一の望みとされたのは、ゾディアックが送った手紙の切手の裏から採取された唾液であった。2002年にサンフランシスコ市警がこの唾液から部分的なDNAプロファイルを生成したが、これはあくまで「部分的」なものであり、容疑者を特定するには不十分で、容疑者リストから除外することしかできない 25。さらに、このDNAが本当にゾディアック本人のものかどうかも確証はない。長年の間に手紙を扱った郵便局員や捜査官など、他人のDNAが混入した可能性も否定できないからである 26。
加えて、自動指紋照合システム(AFIS)や、現在では捜査に不可欠な監視カメラ網、携帯電話の位置情報追跡といった技術も当時は存在しなかった 11。警察は、犯人が残したわずかな物的証拠と、錯綜する目撃証言だけを頼りに、暗闇の中を手探りで進むしかなかったのである。
3.2 組織の断絶:管轄区域の壁と連携不足
当時の捜査体制の脆弱性も、犯人を取り逃がした大きな要因であった。ゾディアックの犯行は、バレーホ市、ナパ郡、サンフランシスコ市など、複数の警察管轄区にまたがっていた 11。
1960年代、アメリカの警察組織における管轄を超えた協力体制は非常に未熟であった。各警察署は自らの事件に対する縄張り意識が強く、情報共有は官僚主義や担当者のエゴ、そして単にファックスやコンピューターネットワークといった情報伝達手段の欠如によって妨げられていた 11。これにより、捜査は断片化し、事件の全体像を把握できる組織が存在しないという致命的な状況が生まれた 30。
この組織的欠陥が最も悲劇的な形で露呈したのが、ポール・スタイン殺害事件後の対応である。3人のティーンエイジャーが犯人を目撃し、「がっしりした体格の白人男性」と証言したにもかかわらず、警察の無線指令係は誤って「容疑者は黒人男性」と伝達してしまった 11。その結果、現場に駆けつけた警官は、犯行現場から歩き去る白人男性(後にゾディアック自身が手紙でその時の遭遇を認めている)を見過ごし、誤った情報に基づいて捜査を進めてしまった 3。この一回のミスが、犯人逮捕の最大の好機を逸する原因となった。
3.3 犯人の狡猾さ:捜査を翻弄した手口
技術的、組織的な壁に加え、捜査官たちは極めて狡猾で知的な犯人と対峙していた。ゾディアックは、警察の捜査手法の弱点を直感的に理解し、それを突くような行動を繰り返した。
前述の通り、彼は犯行手口(MO)を次々と変えることで、一貫した犯人像(プロファイル)の構築を妨げた 11。また、現場に残す手がかりは最小限に抑えられた。警察が作成した似顔絵は、暗闇の中、あるいは恐怖に怯えた状態で犯人を一瞬しか見ていない目撃者の証言に基づいたものであり、あまりに特徴がなく、捜査の助けにはならなかった 24。
彼が大量に送りつけた手紙や暗号文は、一見すると豊富な情報源に見えるが、実際には捜査を攪乱するための巧妙な「煙幕」であった。そこには心理的な自己顕示や挑発は満ちていたが、犯人特定に繋がる具体的な事実はほとんど含まれていなかった 26。むしろ、これらの「挑戦状」は捜査資源を無駄に消費させ、メディアや大衆の注目を本来の地道な捜査から逸らす効果をもたらした 11。
そして何よりも、彼は「引き際」を知っていた。警察に捕まる寸前だったポール・スタイン事件の後、彼の確実な犯行はぷっつりと途絶えた。彼は自らが作り上げた伝説が完成したと判断し、リスクの高い殺人をやめ、手紙による挑発という安全なゲームに切り替えたのかもしれない 11。
ゾディアック事件の未解決は、一つの原因によるものではなく、これら三つの要因が不幸にも重なり合った結果である。当時の警察は、技術的な武器も、組織的な連携も、そしてこのような新たなタイプの犯罪者に対処するための経験も持ち合わせていなかった。この事件は、後の多管轄にまたがる凶悪事件捜査において、情報共有と連携の重要性という痛烈な教訓を残し、FBIのViCAP(暴力犯罪者逮捕プログラム)のようなシステムの創設に繋がっていくのである。
第4部:容疑者たちの肖像
ゾディアック事件の捜査線上には、長年にわたり数多くの人物が浮上してきた。しかし、その中でも特に注目を集め、事件の物語の中心に位置づけられてきたのは、ごく少数の容疑者である。彼らを巡る議論は、状況証拠という説得力のある物語と、物的証拠という冷徹な現実との間の埋めがたい溝を浮き彫りにする。
4.1 アーサー・リー・アレン:最有力容疑者の光と影
アーサー・リー・アレン(1933-1992)は、法執行機関によって公式に名前が挙げられた唯一の主要容疑者であり、ゾディアック事件の議論において最も中心的な人物である 3。元小学校教師であり、児童への性的虐待で有罪判決を受けた経歴を持つ彼の人物像は、多くの状況証拠と結びつき、彼を「犯人」とする強力な物語を形成した 9。
アレンを支持する状況証拠:
所持品と身体的特徴の一致:彼は、ゾディアックのシンボルである十字円が描かれた「ゾディアック」ブランドの腕時計を身につけていた 24。また、彼の靴のサイズ(10.5)は、ベリエッサ湖の犯行現場で見つかった足跡と一致していた 24。
地理的近接性:彼は最初の犯行があったバレーホ市に居住しており、ダーリーン・フェリン殺害現場のすぐ近くに住んでいた 24。また、ベリエッサ湖での襲撃があった日、その周辺にいたと自ら語っている 33。
不審な言動:1971年、アレンの友人であったドナルド・チェイニーが警察に通報。チェイニーによれば、アレンは以前から「人間狩り」への願望を語り、「ゾディアック」という名前を使い、銃に懐中電灯を取り付けて夜間の照準に使うといった、実際の犯行と不気味に一致する話をしていたという 10。
生存者の証言:ブルー・ロック・スプリングス事件の生存者マイケル・マジョーは、事件から数年後、警察に提示された写真の中からアレンを犯人として指差した 24。しかし、この証言は事件から時間が経っており、犯人の顔をはっきりと見ていないため、その信憑性は非常に低いとされている 36。
犯行の中断時期:ゾディアックからの手紙が途絶え始めた1974年は、アレンが児童への性的虐待で逮捕され、精神病院に収容された時期と重なる 9。
アレンを否定する物的証拠:
これほど多くの状況証拠が彼を指し示しているにもかかわらず、アレンを犯人と断定できない決定的な理由が存在する。それは、物的証拠が彼を支持しないことである。
指紋の不一致:ポール・スタインのタクシーなど、犯行現場で採取された指紋は、アレンの指紋と一致しなかった 24。
筆跡の不一致:複数の筆跡鑑定の専門家が、アレンの筆跡とゾディアックの手紙の筆跡は異なると結論づけた 24。
DNA鑑定:決定的な一撃となったのが、2002年に行われたDNA鑑定である。ゾディアックの手紙の切手から採取された部分的なDNAプロファイルと、アレンのDNAを比較した結果、両者は一致しなかった 25。これにより、多くの捜査関係者は彼を容疑者リストから外した。ただし、このDNAサンプル自体が不完全で汚染されている可能性を指摘し、この鑑定結果を疑問視する声も根強く残っている 28。
アーサー・リー・アレンを巡る状況は、ゾディアック事件の核心にあるジレンマを象徴している。彼は物語としては完璧な犯人像だが、法廷で有罪を証明するために必要な「合理的な疑いの余地なき証明」の基準を満たす物的証拠が存在しないのである 8。
4.2 ゲイリー・フランシス・ポステ:民間捜査団体の主張と公式見解
近年、新たな容疑者として脚光を浴びたのが、ゲイリー・フランシス・ポステ(2018年死去)である。2021年10月、元FBI捜査官や法医学者らで構成される民間捜査団体「ケース・ブレイカーズ」が、ポステこそがゾディアックであると特定したと発表し、メディアの注目を集めた 39。
ケース・ブレイカーズの主張:
物的・状況証拠:彼らの主張は、ポステが所有していた暗室から見つかった写真に写る額の傷が、警察の似顔絵と一致すること、靴のサイズが犯人のものと一致すること、そしてポステの名前が暗号のアナグラムに隠されていることなどを根拠としている 39。
未確認事件との関連付け:彼らは、警察が公式には関連を否定している1966年のシェリ・ジョー・ベイツ殺害事件もポステの犯行であると主張している 42。
FBI内部情報:さらに、FBIの内部告発者から、ポステは2016年以降、FBIのデータベースに「容疑者」として秘密裏に登録されており、彼の部分的なDNAサンプルも保管されているとの情報を得たと主張している 44。
法執行機関の公式見解:
ケース・ブレイカーズのセンセーショナルな発表に対し、FBIおよび地元警察の反応は一貫して冷ややかである。
事件は未解決:FBI、サンフランシスコ市警、リバーサイド市警は、いずれも公式に「ゾディアック事件は未解決のままである」との声明を発表している 46。
証拠の信憑性:彼らは、ケース・ブレイカーズが提示した証拠を「すべて状況証拠」であり、「大したものではない」と一蹴している 42。
ベイツ事件の関連否定:特にリバーサイド市警は、ベイツ事件とゾディアック事件の関連性を「明確に否定」しており、ケース・ブレイカーズの主張の根幹を揺るがせている 43。
ポステを巡る一件は、現代における未解決事件の捜査が、公式な法執行機関だけでなく、メディアや民間団体をも巻き込んだ複雑な様相を呈していることを示している。
4.3 その他の容疑者とセオリー
アレンとポステ以外にも、長年にわたり様々な人物が容疑者として名前を挙げられてきた。例えば、作家のゲイリー・スチュワートは、2014年に出版した著書『The Most Dangerous Animal of All』の中で、自らの実父であるアール・ヴァン・ベスト・ジュニアがゾディアックだったと主張している 34。また、公式には否定されているものの、シェリ・ジョー・ベイツ事件やドナ・ラス失踪事件など、他の未解決事件とゾディアックを結びつける説も後を絶たない 5。これらの説は、事件の謎の深さと、解決を求める人々の尽きない探究心を示しているが、いずれも決定的な証拠を欠いているのが現状である。
第5部:現代における再調査と今後の展望
ゾディアック事件は、半世紀以上の時を経て、犯罪捜査の現場から文化的な現象へとその主戦場を移したように見える。最新の科学技術が過去の事件に光を当てる一方で、メディアは新たな物語を生み出し続け、事件の謎は多層的な様相を呈している。
5.1 DNA鑑定の現在地:遺伝子系図学は希望の光か
近年のコールドケース(未解決事件)捜査において、最も強力な武器となっているのが「遺伝子系図学(Genetic Genealogy)」である 25。これは、犯行現場に残された犯人のDNAを、民間の遺伝子系図データベース(例:GEDmatch)にアップロードし、犯人の遠い親戚を特定することで容疑者を絞り込んでいく手法である。この技術によって、ゴールデンステート・キラーをはじめとする多くの凶悪犯が逮捕に至った 25。
では、この技術はゾディアック事件の解決に繋がるのだろうか。結論から言えば、その可能性は極めて低いのが現状である。その最大の障壁は、解決の前提となる「犯人の確実なDNAサンプル」が存在しないことだ 25。
前述の通り、ゾディアックの犯行現場からは、犯人のものと断定できる血液や精液といった生物学的証拠は一切発見されていない 26。唯一の望みである手紙の切手の唾液から得られたDNAプロファイルは不完全であり、その出所も不確かであるため、遺伝子系図学の解析にかけるには信頼性が低すぎる 26。したがって、今後、保管されていた証拠品から奇跡的に犯人の完全なDNAが発見され、かつその証拠の保管履歴(Chain of Custody)が適切に維持されていることが証明されない限り、この革新的な技術もゾディアック事件には無力であると言わざるを得ない 25。
5.2 2024年以降の動向:新たな発見とメディアの役割
公式な捜査が停滞する一方で、事件を巡る物語は2024年以降も活発に紡がれ続けている。
2024年1月 - ドナ・ラスの遺骨特定:1970年に失踪し、ゾディアックの「12番目の犠牲者」の可能性があるとされてきた看護師ドナ・ラスの頭蓋骨が、失踪から54年を経て、親族のDNAとの照合によってようやく本人であると特定された 49。これはラス家の悲劇にとっては一つの区切りとなる発見だが、ゾディアック事件の捜査そのものを前進させるものではない。彼女とゾディアックとの繋がりは、犯人から送られてきた一枚の謎めいたポストカードに基づく推測に過ぎず、警察もこの発見がゾディアック事件の捜査に直接的な影響を与えるとは公式に発表していない 49。
2024年10月 - Netflixドキュメンタリー『This Is the Zodiac Speaking』:このドキュメンタリーシリーズは、再びアーサー・リー・アレン説に焦点を当てた。特に、幼少期にアレンと親しかったシーウォーター家の兄弟姉妹による新たな証言が注目された。彼らは、アレンが犯行を告白したと主張し、さらに、今になって思えば、アレンは犯行前に彼らを殺害現場へ連れて行っていたと証言している 32。これは視聴者に強い印象を与えるが、あくまで半世紀前の記憶に基づく証言であり、事件を法的に解決する新たな物的証拠ではない。
2025年 - サンダンス映画祭『Zodiac Killer Project』:このドキュメンタリーは、ゾディアック事件そのものではなく、「ゾディアック事件に関するトゥルークライム映画を製作しようとしたが失敗した過程」を描くという、非常にメタ的な作品である 52。これは、事件への関心が、もはや犯人探しのレベルを超え、なぜ我々がこの事件にこれほどまでに惹きつけられるのかという、文化的な自己分析の段階に入っていることを示している。
これらの動向は、ゾディアック事件がもはや単なる刑事事件ではなく、メディアが新たな物語を生産し続ける、自己増殖的な文化コンテンツへと変貌を遂げたことを示している。
5.3 文化的影響:映画『ゾディアック』に見る事件の再現と解釈
ゾディアック事件の文化的影響を語る上で、デヴィッド・フィンチャー監督による2007年の映画『ゾディアック』は避けて通れない。この作品は、単なる娯楽映画の枠を超え、事件の最も信頼性の高い映像資料として広く認識されている 36。
フィンチャーと脚本家のジェームズ・ヴァンダービルトは、18ヶ月にも及ぶ独自の調査を行い、警察の報告書や目撃証言、そしてロバート・グレイスミスの著書『Zodiac』に基づいて、驚異的なレベルで史実を再現した 1。ポール・スタイン殺害後の警察の失態、グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)が事件にのめり込むあまり家庭が崩壊していく様、そして彼がアーサー・リー・アレン(ジョン・キャロル・リンチ)と金物店で対峙する不気味なシーンなど、映画の重要な場面の多くは、実際の出来事や証言に忠実である 36。
元殺人課の刑事パット・ポスティリオーネは、この映画の捜査描写を高く評価しつつも、刑事が鉛筆で薬莢を拾い上げるシーンを「現実にはありえない」と指摘しており、その細かな点を除けば、全体として極めて正確であると述べている 56。
もちろん、劇映画として、いくつかの脚色も加えられている。例えば、グレイスミスとサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール・エイブリー(ロバート・ダウニー・Jr.)の関係性は、実際よりもドラマチックに描かれている 36。しかし、これらの脚色は、事件の核心や捜査の困難さ、そして事件に取り憑かれた人々の執念という本質を損なうものではない。
この映画の最大の功績は、事件の解決しない「もどかしさ」や「不条理さ」を、ありのままに描き出した点にある 57。観客に安易なカタルシスを与えず、未解決という現実の重みを突きつけることで、『ゾディアック』は事件の本質を後世に伝える最も重要な文化的記録の一つとなった。
結論:未解決事件が社会に問い続けるもの
ゾディアック事件の遺産は、残忍な暴力、知的なゲーム、捜査の失敗、そして尽きることのない大衆の好奇心が織りなす複雑なタペストリーである。犯人が半世紀以上も捕まらずにいるのは、彼が一枚上手だったという単純な理由からではない。それは、DNA鑑定以前という科学技術の時代的制約、複数の管轄区にまたがる捜査の組織的欠陥、そして犯人自身がその弱点を巧みに突き、メディアを巻き込んで自らの物語をコントロールした能力という、複数の要因が不幸にも交差した結果である。
この事件は、説得力のある物語(ナラティブ)と、法的な証明(プルーフ)との間に横たわる、埋めがたい溝を我々に突きつける。アーサー・リー・アレンがゾディアックであったかもしれないという物語は非常に魅力的だが、彼がそうであったと法廷で断罪するための物的証拠は、ついに現れなかった。現代においても、新たなドキュメンタリーや民間捜査団体の主張が次々と現れるが、それらは新たな物語を提供するだけで、法的な解決には至らない。
犯人自身から始まり、捜査官のデイブ・トスキ、漫画家のロバート・グレイスミス、そして現代のドキュメンタリー作家やアマチュア探偵に至るまで、この事件に関わる人々を突き動かしてきたのは、「執念」である。それは、混沌と曖昧さの前で、答えと解決を求める人間の根源的な欲求の表れと言える。
ゾディアックの究極的な勝利は、単に逮捕を逃れたことにあるのではない。それは、我々の集合的想像力を永遠に捕らえ続けるほどに深遠な謎を創り出したことにある。事件はもはやアクティブな犯罪捜査の対象ではなく、我々の文化に深く根付いた不滅の神話となった。そしてその神話は、デヴィッド・フィンチャーが映画のラストで問いかけたように、新しい世代が繰り返し自問自答することを強いるだろう。「結局、あのゾディアックという男は捕まったのか?」と 58。その問いに対する答えが「ノー」であり続ける限り、ゾディアックの恐怖の劇場は、決して幕を下ろすことはない。
ゾディアック事件 年表
日付 | 場所 | 概要 | 備考 |
1968年12月20日 | カリフォルニア州ベニシア、レイク・ハーマン・ロード | デビッド・ファラデー (17歳) とベティ・ルー・ジェンセン (16歳) が射殺される。 初の公式なゾディアックの犯行。 | 【確定事件】 |
1969年7月4日 | カリフォルニア州バレーホ、ブルー・ロック・スプリングス・パーク | マイケル・マゴー (19歳) とダーリーン・フェリン (22歳) が駐車場で銃撃される。 フェリンは死亡、マゴーは重傷を負いながらも一命を取り留める。犯行後、犯人は警察に電話し、前年の事件も自分の犯行だと告げた。 | 【確定事件】 |
1969年7月31日 | サンフランシスコ・ベイエリア | 3つの新聞社(Vallejo Times-Herald, San Francisco Chronicle, San Francisco Examiner)に手紙が届く。犯行の詳細を記し、408文字の暗号文を同封。「Zodiac」という署名はないが、円に十字のシンボルが記されていた。 | 【手紙/暗号】 |
1969年8月1日 | San Francisco Examiner | 新聞社に「Debut of Zodiac(ゾディアックのデビュー)」と題した手紙が届く。初めて「ゾディアック」を名乗る。 | 【手紙】 |
1969年8月8日 | カリフォルニア州サリナス | 高校教師ドナルド・ハーデンと妻ベティによって、408文字の暗号文が解読される。 内容は殺人の快楽を綴ったものだったが、犯人の名前は記されていなかった。 | 【暗号解読】 |
1969年9月27日 | カリフォルニア州ナパ郡、ベリーサ湖 | ブライアン・ハートネル (20歳) とセシリア・シェパード (22歳) がフードを被った男にナイフで襲われる。 シェパードは2日後に死亡、ハートネルは一命を取り留める。犯人は被害者の車のドアに犯行日と円十字のシンボルを書き残した。 | 【確定事件】 |
1969年10月11日 | サンフランシスコ、プレシディオ・ハイツ | タクシー運転手ポール・スタイン (29歳) が頭部を撃たれて殺害される。 犯人はスタインのシャツの切れ端を持ち去った。 | 【確定事件】 |
1969年10月13日 | San Francisco Chronicle | 新聞社に手紙が届く。中にはポール・スタインの血染めのシャツの切れ端が含まれており、犯行の証明とした。 | 【手紙/証拠】 |
1969年11月8日 | San Francisco Chronicle | 340文字の新たな暗号文(Z340)が手紙と共に送付される。 | 【手紙/暗号】 |
1970年3月22日 | カリフォルニア州モデスト近郊 | キャスリーン・ジョンズが、幼い娘と共に車で走行中、親切を装った男に車に乗せられる。男の奇妙な言動に恐怖を感じ、娘と共に車から飛び降りて逃走。後に犯人がゾディアックである可能性が浮上した。 | 【未確定事件】 |
1970年4月20日 | San Francisco Chronicle | 「My name is ___」という一文で始まる手紙が届く。**13文字の暗号文(Z13)**が含まれていたが、未だ解読されていない。 | 【手紙/暗号】 |
1970年10月27日 | San Francisco Chronicle | 記者ポール・エイヴリー宛に、骸骨が描かれたハロウィーン・カードが届く。 | 【手紙】 |
1971年3月13日 | Los Angeles Times | ロサンゼルス・タイムズに手紙が届く。未確定事件であるリバーサイドのシェリー・ジョー・ベイツ殺害事件(1966年)への関与をほのめかす。 | 【手紙】 |
1974年1月29日 | San Francisco Chronicle | 手紙が届く。映画『エクソシスト』を「最高の風刺コメディ」と評し、スコア「Me - 37, SFPD - 0」と記す。これが長い間、最後の公式な手紙とされていた。 | 【手紙】 |
1992年8月26日 | カリフォルニア州バレーホ | 最も有力な容疑者とされていたアーサー・リー・アレンが死亡。 彼の死後もDNA鑑定などが行われたが、決定的な証拠は見つかっていない。 | 【捜査】 |
2020年12月5日 | - | 国際的なアマチュア暗号解読チーム(デビッド・オランチャク、サム・ブレイク、ヤール・ヴァン・アイク)が、Z340暗号の解読に成功したと発表。51年越しの快挙だった。FBIもこれを公式に認めた。 | 【暗号解読】 |
2021年10月 | - | 民間捜査団体「ケース・ブレイカーズ」が、故ゲイリー・フランシス・ポステを新たな容疑者として特定したと発表。しかし、FBIや地元警察はこれを裏付ける証拠はないとして、事件は未解決であるとの公式見解を維持している。 | 【新説】 |
2024年1月 | - | 1970年に失踪し、ゾディアックの被害者の可能性があるとされていたドナ・ラスの遺骨が、50年以上を経て家族のDNA鑑定により特定される。ただし、彼女の死とゾディアックを直接結びつける証拠はない。 | 【捜査/DNA】 |
引用文献
世間に不敵な挑戦状を叩きつけた連続殺人鬼の実話事件を映画化した、“アナザーサイド・オブ『ダーティハリー』”というべき秀作〜『ゾディアック』〜03月30日(木)ほか - ザ・シネマ, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.thecinema.jp/article/111
Zodiac Killer | EBSCO Research Starters, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.ebsco.com/research-starters/social-sciences-and-humanities/zodiac-killer
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米独立系団体、「ゾディアック・キラー」の身元特定と主張 当局は「依然捜査中」 - CNN, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.cnn.co.jp/usa/35177767.html
Who Is the Zodiac Killer? – The Serial Killer's Possible Identity - Biography, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.biography.com/crime/zodiac-killer
米連続殺人犯「ゾディアック」の暗号、アマチュアが解読 送付から51年 - CNN.co.jp, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.cnn.co.jp/usa/35163763.html
『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生, 6月 27, 2025にアクセス、 https://honz.jp/articles/-/41838
The Zodiac Killer: A Criminal Defense Perspective on One of America's Most Infamous Unsolved Cases, 6月 27, 2025にアクセス、 https://johndrogerslaw.com/the-zodiac-killer-a-criminal-defense-perspective-on-one-of-americas-most-infamous-unsolved-cases/
Zodiac killer | History, Murders, Movie, Letters, Suspects, & Facts ..., 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.britannica.com/biography/Zodiac-killer
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The Infographics Show, Why The Zodiac Killer Was Never Found - LingQ, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.lingq.com/en/learn-english-online/courses/689816/why-the-zodiac-killer-was-never-found-5218264/
The Zodiac Ciphers: What Cryptologists Know | HISTORY, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.history.com/articles/the-zodiac-ciphers-what-we-know
50年以上を経てついに解読された連続殺人犯「ゾディアック」の暗号とは? - YouTube, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/shorts/o7kgEG55XFE
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ゾディアック:映画作品情報・あらすじ・評価 - MOVIE WALKER PRESS, 6月 27, 2025にアクセス、 https://press.moviewalker.jp/mv36186/
Zodiac (film) - Wikipedia, 6月 27, 2025にアクセス、 https://en.wikipedia.org/wiki/Zodiac_(film)
David Fincher's $87M True Story Crime Movie Is Pretty Accurate, But Expert Calls Out One Mistake - Screen Rant, 6月 27, 2025にアクセス、 https://screenrant.com/zodiac-2007-movie-serial-killer-accuracy-investigation-expert-reaction/
ゾディアックのレビュー・感想・評価 - 映画.com, 6月 27, 2025にアクセス、 https://eiga.com/movie/1921/review/
David Fincher's Zodiac: A Story of Obsession - Independent Picture House, 6月 27, 2025にアクセス、 https://independentpicturehouse.org/2024/06/24/david-finchers-zodiac-a-story-of-obsession/

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